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HANSは必要?使い方は?消耗品なの?疑問に全てお答えします!

HANSは必要?使い方は?消耗品なの?疑問に全てお答えします!

皆さん、こんにちは。

モーターレーシングストア Star5 店長:高崎です。

今回は「HANSって本当に必要なのか?」というテーマに沿ってお届けして行きます。

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そもそもHANSって何?

HANSとはHead and Neck Supportの略で、クラッシュ時に頭部と頸部を保護する事を目的とした、4輪ドライバー用の安全装備の一つです。

現在、HANSは開発した企業の商標となっており、FIA(世界自動車連盟)によって、ヘルメット、ヘルメット装着アンカー、デザーなどを含む、ドライバーの身体に装着するデバイスについては安全規格が統一されており、「FHRシステム(Frontal Head Restraint systems)」と呼ばれています。最もメジャーなFHRシステムがHANSであることには間違いありませんが、様々なFHRシステムが存在しています。

※今回は少しでも内容がわかりやすいよう、FHRシステム=HANSデバイスとしてご説明して行きます。

どのように頭部や頚椎を保護するのか?

HANSデバイスは、「頭(ヘルメット)のシートベルト」と考えてもらえるとわかりやすいと思います。

装着方法はいたってシンプルです。

  1. HANSデバイスのテザー(連結ベルト)と、ヘルメット本体に取り付けられたアンカーポスト(金具)を接続。
  2. 車両の4点式や6点式シートベルトで、HANSデバイス本体を身体と密着させて固定。

たったこれだけで万が一のクラッシュ発生時にも、テザーの長さの分しか首が前方に伸びず、頭部や頚椎へのダメージを大幅に軽減してくれます。

HANSのテザーがクラッシュから身を守ります。

HANSデバイス本体の形状や素材についつい目が行ってしまいますが、HANSを語る上で最も大切な仕事を果たすのはこの「テザー」部分である事を覚えておいてください。

実体験。クラッシュの衝撃の恐ろしさ。人の身体は伸びる。

これは僕の実体験でもありますが、クラッシュ時に人間の身体は驚くほど「伸びます」。

レーシングカーは6点式と言われる合計6本のレーシングハーネス(シートベルト)を備えているので、ドライバーの身体はしっかりとシートに固定されます。動かせるのは手足の先端と首だけであり、上半身が前方へと動く余地はほとんどありません。まさにそんな戦闘態勢の状態がこちらの写真です。

僕のこの後、ウェットコンディションの鈴鹿サーキット 最終コーナーでコースアウトに喫してしまい、クラッシュパッドに真正面から衝突するクラッシュを起こしてしまいます。
その際、最もダメージがあったのは身体のどこだと思いますか?(心が砕け散りそうな位にツラかったのは対象外です)

実は、頭部だったのです。

レスキューチームに助けられながらマシンから自力で脱出して地面に立ち上がった際、立ちくらみを起こしました(後から脳震盪が発生してした事を知ります)。ダメージはそれだけでなく、口の中が血の味で充満していたのでコース脇で口をゆすいで吐き出してみたところ…砕けた前歯が何本か出て来ました…。

そう、僕はクラッシュの衝撃でステアリングに頭や顔をブツけていたのです。乗車姿勢ではステアリングまで30cm以上の距離がありますし、身体は1mmも動かない程にハーネスでしっかりと固定されています。

そのハーネスは壊れた訳でも緩んだ訳でもありません。単純に衝撃の影響で僕の身体が伸びたと言う事です。

もちろん、当時もHANSデバイスを装着していたので、幸い身体へのダメージは最小限で抑える事ができました。しかし、もしもこの時、HANSデバイスを装着していなかったら…と考えると、恐怖でしかありません。もしかしたら、このコラムすらも存在していなかったかもしれませんね。身を持ってモータースポーツの怖さを体験した出来事でした。

HANSデバイスは前方方向の衝撃に対して有効

時折勘違いされている方がいるのですが、HANSデバイスはすべての衝撃に対して有用な訳ではありません。主に「前方方向」の衝撃に対してドライバーの頭部や頚椎を保護してくれます。それは、冒頭にも書いた「テザー(連結ベルト)」がHANSデバイスの最重要パーツである為です。

後方方向の衝撃に対しては、車両本体シートのヘッドセット部分が頭を支えてくれる為、HANSデバイス装着の有無は関係ありません。横方向の衝撃に対しては、HANSデバイス本体のショルダーがサポーター的な役割を担ってくれますが、大きな衝撃にはあまり効果はありません。

そう言った観点から、最近では「横方向にも有用」なFHRシステムが登場し始めています。SIMPSON社が製作するHybridシリーズがそれにあたるのですが、ラリー競技などでは既に数多くの選手が着用しています。

シンプルな構造のHANSデバイスに対して、少し複雑な作りのSIMPSON Hybrid。どちらが正解と言う訳では無く、ご自身の参戦カテゴリーやスタイルなどにあわせたFHRシステムを見つける事も大切だと思います。

大きな衝撃を受けたテザーは危険です。定期的な交換を強くオススメします。

HANSデバイスにおける「テザー」の重要性はご理解いただけたかと思います。実はこのテザーには交換時期があります。

「大きな衝撃が加わったら、その度に交換」して欲しいのです。

テザーは大きな衝撃時にも千切れてしまわないよう、かなりの強度をもたせています。しかし、大きな衝撃が一度でも加わると生地が伸びてしまいます。一度伸びてしまった生地は強度が著しく低下してしまう為、次に起こる衝撃に耐えられない可能性があります(最悪、千切れてしまう可能性があります)。それはHANSデバイスを装着する意味が無いのと一緒です。

大きな衝撃が加わったかどうか?は、テザー表面の織り目を確認すると判別が可能です。縦方向に織られた生地に対して、横方向に筋が入っていたら「大きな衝撃がテザーに加わった証拠」です。

Star5ではテザー単体のパーツ販売を行っていますので、HANSデバイスそのものを交換する必要はありませんので、速やかなテザー交換をオススメします。

テザーへのダメージ確認や、自分にあったFHRシステムなどに悩んでしまったら、いつでもお気軽にお問い合わせくださいね!

まとめ
  1. FHRシステムは、頭の為のシートベルト
  2. 人の身体は衝撃が加わると驚くほどに伸びる
  3. 縦方向の衝撃からドライバーの急所(頭、首)を保護してくれる

HANSデバイス以外のレーシングギアの必要性については、以前の記事をご覧ください!

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高崎 保浩

モーターレーシングストア Star5 代表

カテゴリー: Racing Gear

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