Connect with us

IGNITE

Racing Gear

正しいグローブ・シューズの選び方:レーシングギアによるラップタイムの向上はあり得るか?

正しいグローブ・シューズの選び方:レーシングギアによるラップタイムの向上はあり得るか?

皆さん、こんにちは。

モーターレーシングストア Star5 店長:高崎保浩です。

今回は「レーシングギアによってラップタイムが上がることはあり得るか?」と言うテーマに沿ってコラムをお届けしたいと思います。

いつもの通り、まずは答えから申し上げると、

「ラップタイム自体が自然に上がることはありませんが、ラップタイムが上がる”可能性”を飛躍的に向上させる事が出来ます。」

モータースポーツはサーキット走行会でも公認競技でも、「道具=車を上手く動かす」ことが求められる競技です。それに対して、ドライバーが車に対して行える操作(入力)出来ることは大きく分けてたったの3つしか存在しません

  • ステアリング操作
  • シフト操作
  • アクセルやブレーキなどのペダル操作

たったのこれだけです。これは世界チャンピオンでも、今日初めてサーキットを走る初心者ドライバーでも変わりはありません。

そんな数少ないドライバーの入力操作をサポートするのがレーシングギアです。

ドライビングスタイルや参戦カテゴリーに合ったレーシングギアを選ぶ事が出来れば、体力消費を抑えて沢山練習出来るだけでなく、操作ミスも激減するので、ラップタイムが上がる可能性が飛躍的に高まると言う訳です。

さて、ここからはアイテム別に正しい選び方をご説明して行きます。

Advertisement

正しいレーシンググローブの選び方

まず正しいレーシンググローブを選ぶと、適切な量やスピードでのステアリング操作を行う事が出来ます。最適なグリップ力を発揮するグローブを選ぶ事で、初心者にありがちな「力み」や「必要以上の握力でステアリングを握ってしまう」事が無くなり、軽い力でステアリング操作を行う事が可能になります。そうするとステアリング操作に自信を持てるようになり、ドライバーはよりドライビングに集中できます。

このことから、レーシンググローブは「グリップすればする程良い」と考えている方が多いと思います。しかし、ズバリこれは間違いです。

実はドライビングスタイルや参戦カテゴリーによっては、グリップ性能では無く、リリース性能が高いグローブ(ほどほどのグリップレベルでステアリングをするタイプ)を選んだ方が、スムーズにドライビング出来る場合があるのです。

例えば、ステアリング舵角も少なく、ほとんどステアリングから手を離す必要が無い「フォーミュラカー」と、左右へのカウンターステアが非常に多く、シフト操作などでステアリングから手を離す機会が多い「ラリーカー競技など」では、グローブに求められる性能は全く異なります。

ステアリングから手を離す機会やカウンターステアを切るタイミングが多い競技でグリップレベルを重視したグローブを使用してしまうと、ドライバーの意思とは関係なくグローブがグリップしてしまうことにより、適切なステアリング操作を行えず、スムーズなマシンコントロールが難しくなります。

カテゴリーだけでなく、ステアリング形状やステアリング素材(レザー、バックスキンなど)によっても選ぶべきモデルは異なってくるので一概には言えませんが、

  • フォーミュラー = グリップレベルが高い、もしくは、フィット感が高いモデル
  • ラリーカー(ドリフト競技含む)=グリップレベルよりもリリース性を重視したモデル、手首の自由度が高いモデル

を選ぶと良いと思います。

モデル別のグリップレベルやリリース性能については、商品写真だけでは把握することが難しいので、ご自身の参戦カテゴリーなどを販売店へと伝えた上で、最適なモデルを相談される事をオススメいたします。

正しいレーシングシューズの選び方

一般的なスニーカーと同じく、ご自身の「足型」にあった適切なサイズを選ぶ事が最も重要です。

ただし、ヨーロッパ製の商品は横幅が狭く、日本人の足型にフィットさせる事が難しいことも多いのが実情です。そのため、「横幅にサイズをあわせた結果、つま先がすごく余ってしまっている」状態でレーシングシューズを着用されているドライバーさんを、サーキットなどで数多く目にします。

シューズ形状にもよりますが、一般的にはつま先の余白は「親指1本分(約2cm程度)をStar5ではお勧めしています。

つま先の余白は別名「捨て寸」とも呼ばれており、足の浮腫や歩行中などに足がシューズ内で動いた際の必要スペースとなります。

当店でも試着時にはつま先を触って、少しでも余白があると「オーバーサイズ」と判断されてしまうお客様が多いのですが、つま先の余白は「親指一本分で適切」だと覚えておくと良いですね!

しかし、親指1本以上の余白がある場合は「オーバーサイズ」もしくは「足型に合っていない」と考えてください。

ドライビングにおいて、足裏で最も大切なのは「つま先から親指の付け根部分のセンサー(感覚)」です。

ドライバーはこのセンサーを使用して、ミリ単位のペダル操作を瞬時に行っています。ですから試着時には「つま先から親指の付け根部分」の感覚がハッキリとしているシューズを選んでください。

つま先の余白が親指1本以上ある状態のサイズでは、このセンサー部分が適切な位置に来ない為、いくら高価なモデルでも「ペダル感覚が薄い」シューズに成り下がってしまいます。

欲を言うと、シューズ着用時に靴紐を締めた状態でも「足指をある程度開いたり閉じたり出来るモデルやサイズ」を選んでいただきたいです。ペダルを掴んでいる感覚を得る事が出来るだけでなく、血行が促進され、足裏の痺れや足が痙ってしまうことを大幅に軽減出来るようになります。

デザインやブランドも大切ではありますが、兎にも角にも「自分の足型に合うシューズ」を探し出す事がシューズ選びにおいて一番のポイントです!

ソールの薄さ、硬さについて

上記の「つま先から親指の付け根部分」がシューズ選びにおいてもっとも大切なポイントなので、ソールの薄さや硬さは走行カテゴリーや個人の好みにあわせて選べば問題ないと僕は考えています。

基準として、ペダルの踏み込み量が少ないカテゴリー(フォーミュラカーやカートなど)では、「薄くて硬いソール」を、ペダルの踏み込み量が多く、ヒールアンドトゥで足を捻る操作が多いカテゴリー(ツーリングカー)では、「分厚くて柔らかいソール」のシューズを選ぶのが一般的だと思います。

薄くて柔らかいソールを搭載したシューズを欲しがるお客様も少なくはないのですが、年々そのようなモデルは減っており、現在、世界中の製品ラインナップを確認してもほぼ存在していません。

一見、繊細なペダル操作を行えそうな組み合わせではありますが、実はこれには、ペダル操作時の足裏のダメージが大きいというデメリットがあります。

その影響は主にブレーキペダルを最大踏力で操作した際に表れ、必要以上に足裏へとペダルタッチが伝わって来ることで、足裏の痺れや疲労を誘発します。 残念ながら時代遅れの一足と表現せざるを得ないので、一日も早く現代版のシューズに履き替えて、足裏センサーの調整を始められることをオススメします!

そのコースアウト、もしかしたらシューズ選びが原因かも!?

僕が実際に体験した失敗談をお話しして、今回のコラムを終えたいと思います。

ミドルフォーミュラを4年間ドライブした後、F3へとステップした時の話しです。

新たなシーズンに胸を踊らせて、当時流行っていたブランドでレーシングシューズとグローブを新調しました。

サイズ選びは店頭でしっかりと行いましたが、既述の「センサー部分」や「ソール形状」などはまったく考えず、完全にブランドイメージと見た目だけでモデルを選びました。

そして、開幕前のテスト走行から意気揚々と真新しいシューズとグローブを装着して走行を重ねていたのですが、問題が発生しました。自分でも不思議なくらい、頻繁にコースアウトしてしまうのです。

ミドルフォーミュラからF3へのステップアップは、メカニカルグリップやダウンフォースの影響から、操作がシビアになるとは聞いていましたが、強烈なグリップを感じるどころか、ブレーキングを行うほぼすべてのコーナーで飛び出しまくっていたのです。

貴重な走行時間がどんどん奪われて行っただけでなく、メカニックさんにも迷惑をかけ、チーム関係者の信頼もどんどん失って行きました。

困り果てていた頃、チーフエンジニアと一緒にデータロガーを徹底的に見直してみたところ、一つの事実を発見します。

「ブレーキング時、微弱にアクセルも踏んでしまっている」

当時の僕は右足でアクセルとブレーキを操作していたのですが、ブレーキペダルを踏んだ際に、無意識の内にアクセルペダルにも足が触れてしまっていたのです。この操作が原因で制動距離が伸び、コースアウトしている事がわかりました。

慌ててマシンに座り、ブレーキング時の足の動きをメカニックさんに確認してもらったところ、バッチリ「アクセルとブレーキを同時踏み」していました。

そしてその原因は、僕がブランドと見た目だけで選んだシューズにありました。

見た目は格好が良いのですが、ソールが分厚くて硬いシューズだった為、足裏の感覚がほとんど伝わって来ず、アクセルペダルに足が触れている事にすら気付けていなかったのです。

履きなれたシューズに履き替えた途端にコースアウトすることは無くなり、シューズの大切さを痛感した次第です。

この経験から翌年以降、参戦カテゴリーやチームが変わった際にも、「シューズだけは自分の選んだブランド/モデルを着用させて欲しい」とお願いして来ました。

スーツ、グローブはまだ我慢出来るのですけどね、シューズだけは絶対に自分の足型と感覚にあったモデルを選ぶべきです。

特に経験が浅いドライバーは、この事をしっかりと覚えていて欲しいです。

「君の操作ミス、ドライビング操作ではなくって、レーシングギア選びのミスかも知れないよ。」

ドライビング的なアドバイスは出来ないかも知れませんが、コースアウトなどに悩むドライバーは是非、今着用しているレーシングギアを持って、Star5へと遊びに来て下さい。シューズの使用痕や汚れ方などで、操作不良を起こしていないか?チェックさせていただきます。

今回のポイント
  1. 正しいレーシングギアを選ぶことで「沢山練習出来る」「操作ミスが減る」
  2. レーシンググローブは「グリップ力だけで選んではいけない」
  3. レーシングシューズは完全に機能性重視。「足型に合う一足」を探しましょう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

高崎 保浩

モーターレーシングストア Star5 代表

カテゴリー: Racing Gear

To Top