皆さん、こんにちは。
モーターレーシングストア Star5
高崎保浩です。
前回に引き続き、今回も「レーシングギアはなぜ必要なのか?」をテーマにお送りしていきます。レーシングギアの役割は大きく分けて2つあり、それは、
- クラッシュ時の衝撃から身を守るため
- 火災アクシデントから身を守るため
であること、そしてクラッシュ時の衝撃がいかに高いか、ということを前回お話ししました。
クラッシュの衝撃は想像以上!レーシングギアは身を守るための必備品です – IGNITE
皆さん、こんにちは。モーターレーシングストア Star5 高崎保浩です。今回のコラムでは、「レーシングギアはなぜ必要なのか?」をテーマにお送りしていきます。※ちょっとシリアス?な内容なので、途中で読むのが嫌になってしまうかも知れませんが、安全かつ楽しいサーキットライフの為にも、是非最後までお付き合いくださいね!
今回は、レーシングギアのもう一つの役割である「クラッシュ時の火災アクシデント対策」についてご説明いたします。
誰にでもアナタにも
激しく炎上するレーシングマシン。衝撃的な映像です。「衝撃のハプニング集」なんていうTV番組に出てきそうなシーンですが、モータースポーツレースに携わる人にとっては決して目を逸らしてはいけない場面です。
走行会や公式レースなどを問わず、サーキットを走行する上では誰もが遭遇する可能性のあるアクシデント、それが「火災」です。「まさか自分には」なんて話していた人が、目の前で炎に包まれた光景を実際に僕は目にした事があるので、自信を持って言えます。
「誰にでも、アナタにも起こりえます」
論より証拠
ここに、実際に火災アクシデントに襲われた方が着用していたレーシングスーツの写真があります。
レーシングスーツ、レーシンググローブともに耐火性(耐火性)素材を使用した製品を着用されています。表面は痛々しく焦げてしまっていますが、一方で肌に触れている内側は驚く程に綺麗な状態を保っているのがおわかりいただけますか?
実はこれ、フォーミュラカーのメカニックが着用していたレーシングギアなのですが、彼はガソリンを直接身体に浴びての火災アクシデントに見舞われました。にも関わらず命に別状がなかったのは、「難燃性(耐火性)ウェアを着用していたから」と言っても、まったく過言ではありません。
これが真実です
これは同じメカニックが火災アクシデント時に同時着用していた、一般的な安全シューズです。
こうなった場合、一番厄介なのは溶けてしまったナイロン繊維が肌に付着することで酷い火傷を負ってしまう事です。そうなってしまっては、身体に非常に大きなダメージを負ってしまうことは、今さら説明する必要性もありません。
もし、このアクシデントで難燃性のレーシングスーツを着用せず、火に包まれていたとしたら…。本当にゾッとしますね。
不安材料は他にも
今回は周囲に消化設備が整ったメカニックでしたが、それでもこのダメージです。これがマシンに収まったドライバーだとしたら、より大きなダメージになるのは必須です。
しかも、公式戦などに比べると走行会イベントはコースマーシャルの人数もレース時よりは圧倒的に少ないのが通常です。そうなると、いくらコースマーシャルが迅速に行動してくださったとしても、ドライバー救援までの時間が短くなる事は考えにくい。
極論を言ってしまうと、「自分の身は自分で守るしかない」というのが僕の考え方です。
それでは、どのようにして身を守るのか?カテゴリーに適したレーシングギアを装備する以外に方法はありません。
もう少し上手くなったら…
Star5の実店舗には毎日、これからサーキット走行をはじめようとするビギナードライバーも沢山ご来店いただくのですが、大半のお客様が、「もう少し上手くなったらレーシングギアを揃えようと思います。」
というお考えを持たれています。
この考え方、間違い、いや、大間違いです。
技術が未発達なビギナーこそ、クラッシュの可能性が非常に高いのです。だからこそ、「上手くなったら、ではなく、上手くなる為に、まずはレーシングギアを揃えましょう」と必ずご提案差し上げるようにしています。
クルマは買えても、身体は買えない。
レーシングギアは確かに安くはありません。そんなお金があったら「1回でも多く走行したい」「新品タイヤを買いたい」「マシンをチューニングしたい」と思う気持ち、すごく理解出来ます。
し・か・し!クルマは買えても、身体は買えません。でも、安全性は買うことが出来るのです。
サーキット走行会中の軽いクラッシュにより、首がムチ打ちになったとしましょう。あなたはきっと次のような経験をするでしょう。
- 診察や治療のために会社を1日休む必要が出てしまう
- 職場や家族に迷惑をかけながら、トホホな気分で時間を過ごす
- クルマも壊れてしまったし、周囲にも迷惑をかけてしまった後悔
これでは、「よし、必ず復活してサーキットを走るぞ!」と言う気持ちにはならないと思うのです。元気があれば何でも出来る、ではありませんが、ご自身の安全は買って下さい。マストバイです。
少し尖った言い方をするとすれば、「レーシングギアを揃える事が出来ない人は、サーキットを走るべきではない」と僕は思っています。
モータースポーツだけが例外?
「これからスノーボードを始める事になりました。寒さを凌げれば良いから、適当な安いダウンジャケットを買って雪山へ行こう!とはなりますか?専用のウェアやグッズ、揃えようとしませんか?」
「履き心地が良いからって毎日履いている、その(国民的人気の)サンダル。フルマラソンに挑戦する時にも履いて走りますか?履き心地良いから楽勝ですよね?」
他のスポーツはNGで、モータースポーツはOKな訳がありませんよね。
結論、買える安全=レーシングギアは、必ず揃えましょう。
いかがでしたでしょうか?レーシングギアの必要性を少しはご理解いただけたら、幸いです。
次回は「正しいレーシングスーツの選び方」についてフォーカスして行きたいと思います!
今回のポイント
- レーシングギアは「耐衝撃」「耐火」からドライバーを守る
- 自分の身は自分で守る
- 買える安全 = レーシングギア