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GPSを正しく理解してデータロガーの性能を引き出そう!

GPSを正しく理解してデータロガーの性能を引き出そう!

前回の記事ではAiMの入門モデルからハイエンドモデルまでを御紹介しました。今回はそもそもGPSとはなにか?を理解していただいたうえで、ロガーのGPS機能によって見える走行ラインや走り方について掘り下げて行きたいと思います。

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そもそもGPSとはなにか?

GPSとはアメリカ合衆国が運用している衛星測位システムであり、Global Positioning Systemの頭文字を取った略称です。現在31個の人工衛星が地球の周りを均等に回っており、その衛星からの信号を受信することで位置情報を割り出します。アメリカ合衆国以外にも世界各国で同様の衛星システムは運用されており、例えばEUのものはGalileo、ロシアのものはGLONASSという名称が付いています。これら各国の測位システムをまとめて「GNSS(Global Navigation Satellite System)」と呼び、AiMのロガーも各国のシステムに対応したマルチGNSSを採用(※現時点ではGPSとGLONASSに対応)することで、より精度の高い測位を可能としています。ただしここではGNSSのことを、より一般的であるGPSと呼称させていただきます。

AiMのGPS機能を搭載している製品は、乗用車に取り付けられているカーナビ同様に位置情報を測位してから、そのデータにエンジン回転数や温度などの車両情報を載せています。これによって、単なるGPSロガー以上のデータを収集・解析できます。

GPSがうまく動かない場合の対処法

ところで、私たちのもとにはユーザーの方々から

  • GPSの軌跡がズレる
  • タイムがきちんと計測されない
  • 全周回が1ラップとして記録されてしまう

などのご質問が寄せられることがあります。

AiMのGPSロガーは、前述したとおり人工衛星からの情報を元に、今自分(この場合はロガー)がどの地点にいて、そこには何というサーキットがあるのか?をロガー自体が認識し、その上で走行の記録を行います。このようなシステムとなっているがゆえに、電源を入れた直後では、あまり高い精度で測位することができない場合があります。

従って、走行を開始する少し前(具体的には2分程度)にロガー自体の電源を入れて頂けると、正確に位置情報を認識したうえで記録=ロギングを始めることができます。車に乗り込んだタイミングで電源を入れていただければ、シートベルトを締めピットロードにマシンを出すまでの間に測位されます。うまく記録されない事でお悩みの方は、次回の走行時に電源オンを少し早めにして頂けると解消するかと思います。

MYCHRON5に見るGPS測位の参考画像
この状態では8つの衛星からの情報を受信しています。

GPSにまつわる誤解

まれにユーザーの方でGPSについて様々な誤解を持っている人がいらっしゃいます。ウィキペディアからの出典ではありますが、ありがちな誤解の例が掲載されていましたので、ご紹介させていただきます。

  • GPS衛星はGPS受信機(カーナビ等)に直接その受信機がいる座標値 (x, y, z) を教えている。
  • GPS衛星がカーナビのルートを作成している。
  • GPS衛星はGPS受信機の位置を逆探知できる。
  • GPS衛星とGPS受信機が相互に通信をしている。
  • GPS情報によって方位も決定している。(ただし、GPSコンパスを実装している製品を除く)
  • 「GPS信号」とはGPS衛星が発している電波のことであり、受信機が発する信号は「GPS情報」である。
引用元:Wikipedia

これらの誤解からわかるように、GPS機器は衛星が発信している情報を受信することで、衛星それぞれとの距離を算出、そこから自身の位置を割り出しているのです。つまり、より多くの衛星からの情報をキャッチすることが、正確な位置出しに繋がります。よく言われる「精度が悪い、ずれる」という事象のほとんどが、正確な測位を行えていないがために起きる問題なのです。

長くなりましたが、

  • GPSとはそもそもなにか? 
  • GPSによって行えていること
  • GPSに対する正しい知識

をご理解していただいた上で、GPSロガーについて書いていきたいと思います。

GPSロガーによる走行ラインの比較

ここからは実際にサーキットを走行したデータをもとに、GPSロガーによる走行ラインの比較を行っていきます。

上の画像は、富士スピードウェイを走行した2名のドライバーの走行ラインを重ね合わせたものです。ほとんど同じようなライン取りで一見違いはなさそうですが、実はラップタイムでは3秒ほどの違いがあります。もう少し拡大してみましょう。

最終コーナー手前にあるGR Supraコーナーへのアプローチ~立ち上がり部分を拡大してみました。すると途中で緑と赤のラインが交錯しているのがわかります。そして、その地点でのマシンの速度が最大で10km/hほどの差が出ていることも、取得したデータから判明しました。ラインやステアリングワーク、アクセルワークの違いが、ラップタイムに大きく影響していることがこれで明確になりました。

このようにGPSロガーを使用すると、コースのどの地点で、どれだけスピードが違うのかに加えて、走行ラインも目視で確認することができます。これによって次の走行への課題が見えてくるはずです。もし同じセットアップのマシンなら、ドライバーの走らせ方による差が出たと判断できますし、違う状態のマシンであれば、それぞれのセットアップの優劣を判断する材料になります。

試しに速い人に自分のマシンを乗ってもらったら、いとも簡単にベストラップは塗り替えられ、なんなら「このマシンは速いです!」とまで言われたりして落ち込む人は沢山いると思いますが…。そんな時こそロガーのデータを解析し、自分の走りを見直して良い結果に繋げることが出来るチャンスなのです。

留意していただきたいこと
画像はアクセルワークを色で再現したものです。赤くなるほど全開です。

ここまで簡単に説明をしましたが、データロガーによるマシン性能やドライバー技量の向上を保証することは出来ません。最終的には人間の操作の上で動く車である以上、そのドライバーの運動神経や視力や感覚によっては、最悪クラッシュをしてしまう可能性もあります。

理論上はそのスピードで走る事ができても、コントロールする技量はまた別です。安全を第一に、そしてサーキットを走る他の人たちがいる事を忘れずにスキルアップをして頂けたらと思います

次回は、もっと具体的な解説をスキルアップした実例と共にお送りします。

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AiM sportline.Japan

データロガーメーカーのAiM(エーアイエム)の日本総輸入元です。AiM創業当時から、レーシングカートをはじめとしたモータスポーツテクノロジーとノウハウを目で見える形に残そう!と、長年取り組んでまいりました。データロガーとして入門アイテムから、ハイエンド・ハイレベルなアイテムまで、幅広く対応するAiM製品の魅力とさらに踏み込んだ使い方をご紹介していきます。

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