皆さんこんにちは。レーシングドライバーの松本武士です。
前回はスポーツ走行に必要なルールを説明させていただきました。今回はサーキット利用時に必要なマナーやモラルの中でも、特にピットとパドックの使い方について、 お話していきます。
サーキット走行に必要な「フラッグ」を覚えておこう | IGNITE
走行中にドライバーがコース上の状況を唯一確認できるツール、それがフラッグです。フラッグはサーキットの各コーナー付近に設置されたポストといわれる場所から、オフィシャルによって提示されます。
車両整備や荷物を保管する場所「ピット」
サーキットへスポーツ走行などで訪れた際に、自身の車両や荷物を保管するために利用する場所、それがピットです。レースの時にはレースチームが綺麗に車両や工具を搬入して作業しているところを、 皆さんも目にしていると思います。
各チーム安全に使いやすくピット内の整頓を工夫している。
そんなピットにも、キチンと利用するにあたりルールやマナーがあります。
ルール1:利用場所
ピットは日によって利用できる場所が変わります。そのピット割に関してはサーキットが発行するピット割を確認するとわかります。勝手にピットへ搬入しないようにご注意ください。
ルール2:分け合って利用する
ピットは一人で占領しないようにしてください。多くの方が利用できるようにスペースを分け合ってください。
上手くスペースを分け合って多くの人に使ってもらえるようにしましょう。
ルール3:片づけはしっかりと
ピットを使って汚した時は必ず片づけをしてください。ピット内だけでなく、ピットロード側の作業エリア、後ろのパドックエリアもです。
当たり前な話ですが、これが意外とできてないのです。 ゴミや砂利、タイヤカスやオイルなど、自分が使用したピットは次の利用者が気持ちよく使えるように綺麗にして帰るようにしましょう。液体漏れなどで自分では処理出来ないような場合は、サーキットのスタッフに伝えておけば清掃に来てくれます。
2輪の走行があるサーキットは、ピットやパドックが汚れで滑りやすくなっていると、ライダーが立ちゴケする原因になります。バイクの破損やケガにつながりますので、4輪のドライバーは2輪にも気を使ってあげられるようになると素敵ですね 。
ピットロードの白いコンクリートの部分が作業エリア。使った場所は片づけて帰ろう。
パドックエリアの使い方は?
パドックエリアの使い方が分からないという声をよく聞きます。
そもそもパドックとは?簡単に説明すると…
画像の岡山国際サーキットのコース図で説明すると、赤く囲った部分になります。 サーキット施設のピットエリアを含む場所。レースの際にはレース車両を搬入し、関係者のトレーラーやテントが建っている場所、それがパドックエリアです 。レース開催期間中は関係者のみしか入れないように制限されているので、入る場合にはパドックパスという券が必要となります。
レースを知らない方にシンプルに説明する場合、パドックは「レース競技車両がある場所で、競技関係者のみ入れるエリア」という説明が一番わかりやすいかなと思います。
スポーツ走行時のパドックエリアの使い方
では、スポーツ走行や走行会の際のパドックエリアの使い方について説明します。通常営業日や走行会の場合は一般の方も入れますのでご心配なく。
ピットを利用できている場合は、基本的には自分が利用しているピットのすぐ目の前は使ってもいいですが、あまり縦に広く使わないようにしましょう。サーキットによって違いますが、満車でピットを使えなかった人がパドックエリアの空きスペースに、荷物や車両を置くスペースを設ける場合があります。
レースの場合は、すべてのスペースにきちんと割り振りがあるのですが、スポーツ走行の場合は早いもの勝ちになりやすいです。青空スペースだと雨風をしのげないですし、これからの季節は暑いです。駐車スペースが無いと走行に支障が出る人もいます。ピットもパドックエリアも仲良く分け合うようにしましょう。
多くの人が限られたスペースを利用します。声を掛け合って気持ちよく利用しましょう。
また、ピットやパドックエリアはガソリンやオイルなど可燃性のものが多くあるため、当然の事ですが火気厳禁です。タバコは決められた喫煙スペースで吸ってください。 ゴミについてはもちろんゴミ箱は設置されていますが、車両の壊れたパーツはサーキットで捨てずに、各自で持ち帰り処分しましょう。廃タイヤを放置するなどは言語道断です。
そのゴミについてですが、よく風でゴミや物がパドックやピットから飛んでいくシーンを見ます。コース内に飛んで入ってしまうと危険なので、飛ばないようにしっかり整理整頓して管理しましょう。
次回はコース内でのマナーについてお話していきます。
スポーツ走行のルールとマナー サーキットはスポーツマンシップが最重要 | IGNITE
サーキットを走るうえで必ず知っておくべき、というより当たり前なのが、ピットインとピットアウトのルールとマナーです。